副久GOSUについて
副久GOSUについて
当窯はお茶と温泉で有名な佐賀県嬉野市にあります。まわりには、段々畑が連なり、歴史の重みを感じる煉瓦(レンガ)造りの工場と極まり、日本の里山を思わせるどこか懐かしい風情が漂います。
技術と緊張感が生んだ奥行きがある器
「GOSU」は、古くから使われている「濃み(だみ)」という手法で描きます。これは、大きな「濃み筆」にたっぷりと呉須を含ませ、指先で滴り落ちる絵の具の量を調節しながら細かく筆を上下に動かして描く技法です。
技術と緊張感そしてなにより、大変根気のいる作業です。しかし、この手法により器は深い奥行きを感じる仕上がりとなり、光にかざすと色が底から輝きます。 色の美しさだけではなく、一つとして同じものはない手仕事の世界観を実感できる焼き物です
色の濃さの違いを楽しむ「副久GOSU」
呉須(ごす)は磁器に使われる「青色」のこと。一口に呉須と言ってもその青さは派手な青、渋い青、淡い青、濃い青まで様々にありますが、当窯の職人には「これ」という、こだわりの青色があります。
最も濃度の薄いものを「1.0」にして、最も濃いものを「5.0」と五種の青から成る焼き物につけられたのが「副久GOSU」ブランド。色の濃さの違いを楽しんでいただくのが特徴です。
手仕事にこだわった商品
裏名にもこだわり、判、転写を 一切使わずにイッチン描き(泥漿を作品に盛り付ける装飾)で社名色の濃さ季節を描きいつ出来た商品なのか明確にしています。
手仕事の良さで、春の暖かさ、夏のおおらかさ、秋の華やかさ、冬の厳しさなど、四季を感じていただければの思いで1枚1枚を丁寧に仕上げています。
伝統技法の「濃み」と語りつぐ意義
「濃み」をしている時は声をかけても返事ができないほどの緊張感が伴います。絵の具の濃度を同じにしても、筆を置く時間が長くなれば、みるみる絵の具を生地が吸い取って濃くなる青。長きに渡る修行も必要なためか「濃み」を手がける職人はどんどん減っているのが実情です。
この手法ができるのは当窯の存在価値と考え、有田焼を語りつぐ存在として、これからも「濃み」にこだわり続けます。